エッセンシャルオイルには10〜100種もの芳香成分が含まれているといわれています。
心と体にどのように作用するのかを書いていきます。
炭素・水素・酸素などなどの分子の構成が香りを決める
香りには揮発性の芳香分子で、目には見えませんが、存在する物質です。
芳香分子は主に炭素や水素、酸素から形成されています。その分子の構成の仕方によって、様々な香りや作用が生み出され、
心身に影響を与えます。
エッセンシャルオイルの香りの作用を生かした療法を、アロマテラピーといいます
香りが鼻から脳へ伝わるシステムとは
芳香成分を鼻から吸い込むと、鼻腔を通って奥の上部にある嗅上皮の粘膜に付着します。
細胞から出ている嗅毛に捉えられ、電気信号(インパルス)に変換されて脳へ届きます。そこで香りと認識されるのです。
この嗅覚の刺激が脳へ伝わる速度は、たった0.15秒。脳に近い歯の痛みでさえ「痛い」と脳が感じるまでに0.9秒かかるといわれています。嗅覚の刺激は触覚よりも脳へ伝わるのが早いのです。
香りの情報が脳へ届くと、一番に伝わるのが、「大脳辺縁系」です。本能の座ともいわれ、食欲、睡眠、性欲をコントロールする「扁桃体」や記憶を司る「海馬」があります。以前嗅いだ香りに再び出会って、その時の記憶が蘇るのは「海馬」の働きがあるからです。
さらに自律神経や免疫を調整する「視床下部」やホルモン調整をする「脳下垂体」、知的活動を司る「大脳新皮質」へと伝わります。
香りが鼻から肺や血管へ伝わるしくみ
香りが脳へ伝わると同時に、その一方で、鼻から吸い込んだ芳香成分は、鼻の粘膜で吸収されて、血管に取り込まれます。
また、鼻からのど、気道、気管支を通り、肺にも送られ、一番奥にある肺胞から血管へと取り込まれます。
そして血液循環によって、全身へと送られるのです。最終的には呼気や尿、汗などから体外へ排出されます。
肌の奥まで浸透し全身へ伝わる芳香成分
皮膚は外側の表面から、表皮、真皮、皮下組織と、大きく分けて3層で構成されています。
表皮と真皮の間には保護膜があり、水分の放出を防ぎ、紫外線カットする働きがあります。
この保護膜を通過できる物質は少ないのですが、エッセンシャルオイルは脂溶性で、さらに分子が細かいため、この膜を通過できるのです。よって肌の奥まで浸透し、真皮にある血管やリンパ管の中に取り込まれます。
そして、血管やリンパ管を通して全身へと送られるのです。もちろん、表皮を整えたり、真皮層にあるコラーゲンを増加させる働きもあります。