芳香植物を生活に取り入れてきた歴史は古く、古代文明にまで遡るといわれています。
人と香りの歩みを書きます。
古代から自然の恵みとして愛用されてきた芳香植物
芳香植物は、大昔から自然の恵みとして、重宝されています。科学的に作られる薬がなかった時代
芳香植物は人類が初めて使った薬でした。
それはエジプトの象形文字や聖書、中国の写本から数千年間、聖職者や医者が芳香植物を現代のアロマテラピーのように使い、肌を保護したり、香水として香りを楽しんでいました。エジプトの寺院はオイルの生成とブレンドをする場所だけに使われ、その生成方法は壁に象形文字で記録されていました。聖書にはフランキンセンス、ミルラ、ローズマリーなどの芳香植物が記載された場所は188カ所にも及んでいます。古代エジプトでは、ミイラ作りにも利用され、芳香植物で防腐処理が行われていました。
ツタンカーメンの墓に、雪花石膏製の壺に入った、保存状態の良いオイルが発見されています。
ギリシアでは「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスが、それまでの呪術的なものから、病気を科学的にとらえて西洋医学の基礎を築き、「四体液説」という体質別の治療を唱えました。芳香植物によるマッサージや入浴を治療に積極的に取り入れていたようです。「ヒポクラテス全書」には、マッサージ法や入浴法が残されています。
また植物学の祖とされるデオフラトスは約600種の香料植物を「植物誌」全9巻にまとめました。
アラビアの哲学者であり、医学者のイブン・シーナー(アビセンナ)は11世紀初頭、蒸留器を開発してローズの蒸留を行い、医療に役立てました。ローズなどの蒸留水は儀式や美容、客のもてなし、噴水など大量に使われていた記録があります。
中世ヨーロッパの修道院で発展した芳香療法
中世のヨーロッパでは、修道院内に薬草園が造られ、多くの薬草療法が生み出され、感染症を防ぐ薬の開発も進められました
ルネッサンス期には、フランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ各地で芳香植物の研究が進められました。
エッセンシャルオイルは医療や医薬はもちろん、美容や香水などの発展にも貢献することになります。
20世紀初頭には、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが「アロマテラピー」という言葉を生み出しました。
続いて、オーストリア人の生化学者マルグリット・モーリーがインドや中国などの伝統的な医学や哲学を研究し、エッセンシャルオイルを植物油で希釈して、マッサージする方法を提唱、イギリスでホリスティック(総括的)アロマテラピーとして広がりました。
まとめ
何かあれば「薬で解決」そんな風に育ってきた私は自然な解決法なんて知らなかった・・・
これからは「自然な解決法」をもっと勉強して取り入れていきたい。